
博士課程で研究に取り組みながら、陸上競技の100メートル走では九州インカレ3位、室内陸上優勝、全日本インカレ準決勝進出など、着実に結果を残している塗木ひかるさん。二つのフィールドを駆け抜け挑戦する、その歩みと思いを伺いました。
研究と課外活動を両立し、素晴らしい成績をあげていると伺いました!
それぞれどんな活動をしているのでしょうか?
研究では、VRを用いた視線分析を行ってきました。サッカー選手と一般選手の視線や戦術理解の違いを明らかにしたり、人が自分と他者を見分ける認知機能や、体の反応を数値化する指標を開発したりするものです。
現在は、麻痺患者のリハビリテーションに関わる研究に取り組んでいるところです。
課外活動では、陸上部に所属し、短距離競技を専門にしています。
今年の大崎室内陸上100メートルでは一般選手を相手に優勝。5月の九州インカレでは3位、9月の全日本インカレでは準決勝に進出し、9月の九州CSでは4位入賞を果たすなど、各大会で好成績を収めることができました。
研究と競技の両立は簡単ではありませんが、その中でも記録を伸ばせていることに手応えを感じています。大学院で研究を続けながら結果を残せたことは、自分にとって大きな励みです。

塗木さんの研究は全学的にも評価され、2年連続で進取の精神学生表彰を受賞しました。
医歯学総合研究科 田川研究科長(左)、指導教員の下堂薗教授(右)との記念の一枚!
博士課程の研究と陸上の両立、とても大変なことだと思います。
何かコツはありますか?
忙しい時期でも、しっかり休む時間をつくることでしょうか。私は映画や動画を観たり、友人との食事やドライブを楽しんでいます。オンとオフの切り替えは得意で、ポジティブな性格は小さい頃から変わっていません。
また、家族に支えられている面も大きいです。私の家族は、まさに陸上一家で。
父は鹿大陸上部の監督で、妹も2025年度まで鹿大陸上部で練習に励んでいました。妹はコツコツと努力を重ねるまじめなタイプで、私にとってとてもよい刺激になる存在でした。母の食事面でのサポートも大きく、研究と陸上に集中できる環境を整えてくれています。
家族の存在には本当に感謝しています。

2025年度まで鹿大陸上部でともに頑張った妹と。
互いに刺激し合い、支え合いながら高め合ってきました。
素晴らしい結果を残していますが、ここまでの道のりはいかがでしたか?
実は、高校時代は思うような結果が出ず、インターハイは一度も出場することができなかったため、「もう伸びないかもしれない」と感じた時期もありました。
ただ、中学・高校時代の顧問の先生には、“自分で考える力”を育てていただきました。この経験は今でも私の土台になっています。
鹿児島大学に入学してからは、そうした力をさらに伸ばせる環境に出会いました。
鹿大陸上部には、“自分で考える文化”が強くあって、選手自身が課題を見つけて練習を組み立てていきます。このスタイルが私にはとても合っていました。
週2回のウエイトトレーニング、食事管理、フィジカル強化など…。
自ら情報を集め、道筋をたててながら練習に取り組むこと。監督やコーチ、トレーナーにメニューを見てもらいながら、結果が出ないときはアプローチを変える柔軟性をもつこと。細かな調整を積み重ねる必要がある短距離競技において、これらを大切にすることで、大きく成長することができました。
こうした姿勢は、陸上だけでなく、研究にも生きていると思います。

2026年5月の九州インカレでは3位入賞を果たしました。
競技者として着実に歩みを進めています。
塗木さんの今後の目標を教えてください!
競技では、日本選手権出場を目標に掲げています。
一方で、研究もこれから更に深めて、続けていきたいという気持ちもあります。
学部生時代は教育学部で学んだこともあり、人に教えることも好きです。
学術とスポーツ、二つの視点を行き来しながら挑戦を続けることで、自分の可能性が広がっていくように感じています。
これからも鹿大らしい「進取の精神」を大切にしながら、周りへの感謝を忘れず、自分らしく前向きに歩んでいきたいです。

2026年9月の九州CSでは、4年ぶりに自己ベスト更新し、11秒85を記録して4位入賞を果たしました。

