今号の表紙「玉利池」

郡元キャンパスの中心に位置する貴重な親水空間で、学生や来訪者が四季の変化を感じられる憩いの場として親しまれています。時折、池のほとりでアオサギが佇む姿も観察されており、キャンパス散策の際に足を運べば思いがけない出会いがあるかもしれません。


はらぐちあつこ(イラストレーター)

鹿児島大学法文学部法政策学科卒。電力会社勤務を経て、桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン科修了。東京のデザインコンサルティング会社でVI・CIデザイン制作業務の他、歴史絵本制作にも携わる。2015年より峰岸達氏に師事。2020年より福岡市に移住し、フリーランスのイラストレーターとして活動中。

鹿児島大学 玉利池

郡元キャンパスを歩こう!

鹿児島市の中心部に位置する鹿児島大学郡元キャンパスは、法文・教育・理・工・農・共同獣医学部など、多彩な学部が集まる活気あふれる総合キャンパスです。市電やバスなど公共交通機関へのアクセスも良く、主要駅や繁華街にも近い利便性と、落ち着いた学習環境を兼ね備えていることが大きな魅力です。
キャンパス内には教育研究施設をはじめ、図書館や学生食堂、交流スペース、現代建築などが点在。一般市民も利用できるフードコートやレストランを備えた「稲盛記念館」や、歴史の重みを感じさせる国の登録有形文化財の博物館もあり、地域に開かれた知の拠点として親しまれています。

郡元キャンパス 地図

郡元キャンパスおすすめスポット

  1. 奄美の高倉

    奄美の高倉

    明治期に奄美大島で建てられた高倉をもとに再建された施設です。火災による焼失を経て大学内に復元され、伝統的建築の価値を伝えています。

  2. 総合研究博物館

    総合研究博物館

    鹿児島大学に蓄積されたの数多くの学術資料を展示する施設で、教育・研究を支えるとともに一般公開も行われ、地域の学びの場として活用されています。

  3. 玉利池

    玉利池

    郡元キャンパスの中心に位置する、貴重な親水空間です。学生や来訪者が四季の変化を感じられる憩いの場として親しまれています。

  4. 郡元中央食堂

    郡元中央食堂

    多くの学生や教職員が利用する大規模食堂で、日常の食事提供に加え、休憩や交流の場としても機能する学内の重要な福利厚生施設です。
    営業時間11:00~19:30(平日)11:00~14:00(土曜)

  5. 学習交流プラザ

    学習交流プラザ

    学習室やラウンジ、フードコーナーなどを備え、自習やグループ学習、交流活動を促進する学生・教職員のための複合施設です。

  6. 稲盛記念館

    稲盛記念館

    フードコート・レストランがあり、学生教職員が日常的に集うことができる施設となっています。稲盛和夫名誉博士の歩みや哲学等に触れる場として、稲盛ライブラリーや京都賞ライブラリーを設置しています。

  7. 教育(郡元南)食堂

    教育(郡元南)食堂

    教育学部敷地内の食堂です。お好きなメニューを選んで組み合わせていただくカフェテリア方式です。
    営業時間11:30~13:00(平日のみ)

  8. 進取の気風広場

    進取の気風広場

    大学の理念である「進取の気風」を象徴する広場で、学生や来訪者が自由に集い交流できる空間です。開かれたキャンパス環境の一部として整備されています。

  9. 体育施設

    体育施設

    体育館やグラウンドなどを備えた施設で、体育授業や部活動、課外活動に利用されます。グラウンド照明の一基で本学で開発されたFGHPライトの実証試験が行われています。

  10. 中央図書館

    中央図書館

    豊富な蔵書と閲覧席を備えた附属図書館の中心施設で、学修や研究活動を支え、一般にも開放される知の拠点となっています。

  11. 実験実習地(農場)

    実験実習地(農場)

    農作物や園芸作物の栽培が行われ、研究室の研究だけでなく、その圃場の多くが学部学生の実習にも使われています。収穫した作物は、大学祭やインフォメーションセンターで販売しています。

  12. 植物園

    植物園

    多様な植物を育成・保存し、教育や研究に活用される施設です。一般公開も行われ、地域住民が自然に親しめる開かれた空間となっています。

  13. 半導体人材育成理工学センター

    半導体人材育成理工学センター

    半導体の設計から製造までを一貫して学べる実習環境を備え、産学官連携により地域の人材育成を担う教育研究拠点です。社会人・企業の方も試作開発や社員向けのリカレント教育の場としてご活用いただけます。

  14. 多機能実証ラボ

    多機能実証ラボ

    最先端設備を活用し、実証実験や技術開発、教育・研究を一体的に行う施設です。学外の企業や一般の方も有料で利用できる実践的な研究開発拠点です。

  15. 焼酎・発酵学教育研究センター

    焼酎・発酵学教育研究センター

    焼酎・発酵学教育研究センターの拠点で、学生たちが日々、焼酎の香りに包まれながら研究に励んでいます。

  16. インフォメーションセンター

    インフォメーションセンター

    来訪者への案内や情報提供を行う窓口として、大学の概要や施設情報を発信する施設です。大学オリジナルグッズの販売もしています。

  17. 稲盛会館

    稲盛会館

    安藤忠雄氏の設計によるもので、非常にユニークな構造をしています。学内外の交流や情報発信の拠点として、教育・研究成果を社会に広く発信する役割を担っています。

  18. 附属動物病院

    附属動物病院

    犬や猫といった伴侶動物から産業動物まで幅広い診療を行い、獣医学教育と研究を実践的に支えるとともに、地域の獣医療に貢献しています。

お気に入り・おすすめはココ!

市街地にありながら自然を身近に感じられる郡元キャンパス。敷地内には実験実習用の田んぼや畑のほか、約300種類の樹木がある植物園があり、さまざまな動植物が四季を彩ります。メインストリートを彩るダイナミックなワシントンヤシの並木が鹿児島らしさを象徴する一方、秋には黄金色に染まる銀杏並木が学生や地域住民の目を楽しませてくれます。水辺の景観が美しい玉利池や、友人たちと語り合えるベンチやウッドデッキなど、日々の研究や授業の合間に心地よい風を感じながらリフレッシュできる憩いの場も随所に広がっています。

学びの部屋
「鹿児島の自然史」/共通教育センター 自然科学科目・教養自然科学 井村 隆介 准教授

「鹿児島の自然史」/共通教育センター
自然科学科目・教養自然科学 井村 隆介 准教授

観測データの因果を問う

鹿児島の豊かな自然は、どのように形成されてきたのか。15回の講義を通じて、日本列島と鹿児島における第四紀の気候変動、海水準変化、地殻変動、火山活動史、植生史を紹介する「鹿児島の自然史」。第5回の授業では、過去15万年の気候データを読み解き、そこから「現在の地球は温暖化しているのか?その原因は人間なのか?」を検証する。壮大な地球環境の変化を教材にした講義で、学生たちが学んでいく科学的思考のプロセスとは。

星砂のタイムカプセル

汗ばむ日も多くなってきた鹿児島の5月中旬。授業冒頭、「昼間は暑いので、夕方を待って犬の散歩に行っています」という井村先生の語り口に教室の空気が少し和らいだ。この日の講義テーマは、地球の「氷期・間氷期サイクル」。現在の地球温暖化を考える上で欠かせない、過去の気候変動の歴史について学ぶ授業だ。身近な気温の話から、話は一気に地球規模へと広がっていく。

私たちが暮らす鹿児島の年平均気温は現在約19度だが、約2万年前、地球の気温は現在より5〜6度低く、海面も100メートル以上低かった。では、なぜ数万年前の気温や海面の高さが分かるのか。鍵になるのが酸素の同位体、特に酸素16(¹⁶O)と酸素18(¹⁸O)の比率だ。

海水が蒸発する際、酸素16を含む軽い水が優先的に蒸発するが、寒い時代になると酸素16が氷河に閉じ込められ、相対的に海水中の酸素18を含む重い水の割合が高まる。そのため、海底に堆積した有孔虫(単細胞生物で、星砂はその仲間)の殻や氷床コアに含まれる酸素同位体の比率を分析すれば、その時代の気温を読み解くことができ、さらに氷河の量を算出することで当時の海面の高さまで分かるという。

気候変動を生み出す地球のリズム

講義では、「今は氷河時代である」という一見意外な事実も紹介された。南極やグリーンランドに大規模な氷床が存在する現在の地球は、46億年の歴史から見れば珍しい「寒い時代」に分類される。この氷河時代の中でも、現在は比較的温暖な「間氷期」の只中だ。寒冷な氷期と間氷期は約10万年周期で繰り返されており、今と同じくらい温暖な間氷期の時代を見つけるには、約13万年前まで遡らなければならない。

この長期的な気温変動は、ミランコビッチ・サイクル(地球の公転軌道や地軸の傾きの周期的変化)との密接な関係が指摘されている。先生は、「地球の自転軸がコマのように首振り運動をする『歳差』(約2・3万年周期)や、四季を生み出す『地軸の傾き』の揺らぎ(約4万年周期)といった宇宙規模の要因が複雑に重なり合うことで、気候変動のサイクルが作られてきた」と解説する。

さらに遡って恐竜が生きた時代を見てみると、二酸化炭素濃度が今の4倍あり、海面は400メートル以上高かったという研究もある。地球の気候は、人間の営みとは無関係に大きく変動し続けてきたのだ。

「相関」と「因果」を正しく読み解く

井村 隆介 准教授

井村 隆介(いむら・りゅうすけ)准教授

鹿児島大学総合科学域総合教育学系
総合教育機構 共通教育センター
自然科学教育部門 准教授
[学位]博士(理学)東京都立大学 1993年
[所属学会]日本地質学会、日本火山学会、日本地自然災害学会
[専門分野]地質学、火山学、第四紀学

こうした過去の気候変動を学ぶことで、私たちは現代の環境問題をどう捉えるべきなのだろうか。南極やグリーンランドの氷床コアから得られた過去15万年のデータを見ると、気温変化と、二酸化炭素やメタンガス濃度の変動パターンがよく似ていることに気づく。ここで先生は「相関があることと、因果関係があることは別の話です」と強調し、近年の二酸化炭素やメタンガスの増加は温暖化の「原因」なのか、それとも気温上昇に伴う「結果」なのかを問いかける。授業では、牛の大量飼育によるメタンの増加や、産業活動による温室効果ガスの排出など、人間活動と地球温暖化の関係について展開していく。

地球温暖化を巡る議論では、「温室効果ガスが増えている」「気温が上昇している」といった事実がしばしば直接関連づけられる。しかし、地球はもともと長い歴史の中で大きな気候変動を繰り返してきた惑星でもある。科学において重要なのは、データが示す事実がどのようにつながっているかを考え続けることだ。鹿児島の自然を入り口にしたこの講義で、学生たちは確かな事実をもとに多角的な視点で仮説を立て、真理を問い続ける姿勢を培っていく。

Research & Contribution 鹿大の研究

サウナにおける「ととのう」体験の言語的表現に関する心理学的探求
〜サウナ体験の言語化から見えてきた、「生活温泉地」鹿児島の可能性〜

研究室の様子

藤田 勉 教授
法文教育学域 教育学系

オノマトペから迫る
「ととのう」体験

ととのい体験をオノマトペ(擬音語、擬態語)で作成して測定したところ、サウナ特有の因子が抽出された
ととのい体験をオノマトペ(擬音語、擬態語)で作成して測定したところ、サウナ特有の因子が抽出された
研究1で作成した項目ではサウナの特有のととのい体験をあらわす尺度になっているか不明であり、妥当性の課題が残された。
研究1で作成した項目ではサウナの特有のととのい体験をあらわす尺度になっているか不明であり、妥当性の課題が残された。

サウナを愛好する人たちがよく口にする「ととのう」という言葉。それが心身のどのような状態を指すのかは、長らく感覚的にしか語られてきませんでした。この主観的な「ととのう」という体験を心理学の手法でとらえることに挑んだのが今回の研究です。

研究をするに当たって着目したのはオノマトペです。日本人は、言葉にしづらい繊細な身体感覚もオノマトペで豊かに表現しています。そこで、全国のサウナ利用者千人を対象にアンケートを実施し、「ととのった」ときに使うオノマトペ(「ぐわんぐわん」「フワフワ」「ポカポカ」など)を収集し、因子分析を行いました。その結果、サウナにおける「ととのう体験」は、力が抜けて浮かぶような〈弛緩的浮遊感〉、頭が冴えて目覚めるような〈刺激的覚醒感〉、そして、温かさに包まれる〈包容的温感〉の三つの因子から構成されることが見えてきたのです。

感覚の領域を出なかった「ととのう体験」を初めて言語と数値の両面から構造化した本研究は、江戸川大学の蛯原先生との共同研究として日本サウナ学会の学術大賞を受賞しました。

私たちの足元にある
「生活温泉地」 という宝

温浴がもたらすリラクゼーション効果は、私の本来の専門であるスポーツ心理学においても重要な課題です。「心身のコンディションをどう整えるか」は、アスリートにとっても、日々判断を求められる現代人にとっても切実な問いだからです。

こうした視点で足元を見つめ直すと、鹿児島という土地の特異な豊かさに気付かされます。鹿児島市は、天然温泉・サウナ・水風呂の三拍子がそろった公衆浴場に、生活圏の中でアクセスできる全国的にも希少な「生活温泉地」です。しかも入浴料金は460円(令和8年7月現在)ほどと手頃で、子どもから高齢者まで誰もが気軽に利用できます。

温浴の価値は心地よさだけではありません。低価格で通える銭湯は、地域の高齢者がさりげなく顔を合わせる場として、日常の見守り機能の一端を担っています。また、災害時には住民の衛生環境を支える拠点としての役割も期待できます。とりわけ鹿児島の銭湯は地下水や温泉を水源とする施設が多く、断水時にも機能するという生活温泉地ならではの強みを備えています。

温浴文化を残すために
大学だからできること

研究を通して、こうした宝の価値を改めて言葉にできるようになりました。しかし、その宝は静かに失われつつあり、早朝から利用できる鹿児島市の公衆浴場は今やごくわずかとなっています。

ここに、大学だからこそ果たせる役割があると考えています。それは、温浴がもたらすリラクゼーション効果や、見守り・防災といった公共的価値を学術的に裏付け、その根拠を地域社会や行政、メディア、そして学生へとつなぐハブになることです。一つの銭湯には、健康・福祉、防災、文化、観光と、多様な価値が重なっており、その全体像は、研究による客観的な言葉によって示すことができるのです。

老朽化した銭湯をリニューアルすることは、単なる施設の存続にとどまりません。新しいのに、どこか懐かしい――そんな銭湯が息づく風景は、鹿児島市の大きな魅力となる可能性を秘めています。夢物語に聞こえるかもしれませんが、進取の精神で地域と世界の未来に挑む一つの形として、この土地の温浴文化に取り組んでいきたいと考えています。

研究のポイント
  1. サウナの「ととのう」体験を、オノマトペを手がかりに心理学的手法で構造化し、三因子(弛緩的浮遊感・刺激的覚醒感・包容的温感)として明らかにした。
  2. 温浴のリラクゼーション効果という学術的視点から、鹿児島市が持つ「生活温泉地」としての価値(アクセス性・低価格・高齢者見守り・災害時の衛生拠点)をとらえ直す。
  3. 老朽化が進む銭湯の公共的価値を学術的に裏付け、地域・行政・メディアをつなぐことで、生活温泉地の維持と、観光温泉地としての可能性を探る。
藤田 勉(ふじた・つとむ) 教授

藤田 勉(ふじた・つとむ) 教授

2008年 東京学芸大学大学院博士課程修了、博士(教育学)、
1995年 東京農業大学農学部卒業、
1997年 JICA青年海外協力隊、2003年 東京学芸大
学大学院修士課程入学、2007年 鹿児島大学教育学部着任
(以降,現職に至る)
■所属学会:日本サウナ学会、日本体育・スポーツ健康学会
■専門分野:スポーツ心理学

共同研究者メッセージ

岡山大学病院副病院長 伊原木 聰一郎(えびはら・まさたか)准教授

江戸川大学メディアコミュニケーション学部
こどもコミュニケーション学科
蛯原 正貴(えびはら・まさたか) 准教授

このたびは学術大賞という栄誉に与り、藤田先生とともに大変光栄に存じます。本研究は、サウナ愛好家が「ぐわんぐわん」「パッカーン」と表現する独特の感覚を、心理尺度として捉えようとした挑戦的な試みでした。当初は一般的な言語表現では「ととのう」体験の機微を掴みきれず苦慮しましたが、オノマトペに着目したことで、弛緩的浮遊感・刺激的覚醒感・包容的温和感という三因子構造に辿り着けました。日本語のオノマトペが持つ身体感覚への近さを、改めて実感した次第です。藤田先生の発想力と粘り強い議論に支えられ完成した研究であり、サウナ文化を学術的に語る一助となれば幸いです。

Research & Contribution 鹿大の研究

神経活動依存的遺伝子による神経回路および認知機能の調節機構を解明
〜記憶の正体は「神経ネットワークの変化」。その仕組みに迫る〜

研究室の様子

奥野 浩行 教授
医歯学域医学系 医歯学総合研究科

二つのアプローチで、
記憶の謎に挑む

マウス用タッチパネル式学習装置を用いて学習・記憶あるいは意思決定などの行動学的解析
マウス用タッチパネル式学習装置を用いて学習・記憶あるいは意思決定などの行動学的解析
マウス大脳の記憶想起に関連した神経細胞を染め分ける方法の開発(赤と緑は異なる記憶に関係する)
マウス大脳の記憶想起に関連した神経細胞を染め分ける方法の開発(赤と緑は異なる記憶に関係する)

「人は出来事をどうやって覚えるのか」「感情とは何か」。古代ギリシャ以来問われてきたこれらの謎が、脳や神経細胞の仕組みとして語られるようになったのは20世紀のことです。それでも、脳の中で何が起きて記憶や感情が生まれるのかは、まだ十分に解明されていません。私は、この古くからの謎に、二つの異なるアプローチを携えて挑んでいます。

一つは、私が大学院時代にニホンザルなどの霊長類を対象とした研究を通して学んだ、行動や認知という「全体」から脳の働きへ迫るトップダウン型のシステム神経科学。もう一つは、留学先や帰国後の生化学の研究室で身につけた、神経細胞の中に存在する遺伝子やタンパク質という最小の「部品」から記憶に迫るボトムアップ型の研究です。全体像と部品の両面から眺めることではじめて見えてくるものがあると思い、現在はマウスを用い、この二つを行き来しながら、記憶や認知の仕組みを調べています。

記憶の正体は
「神経ネットワークの変化」

脳には無数の神経細胞があり、「シナプス」というつなぎ目で電気信号や化学物質をやりとりして「会話」しています。シナプスはコンピュータの記憶素子のような役割を担い、その調子が崩れると脳のはたらきに支障が出ます。しかも、その伝わりやすさ(感度)は一定ではなく、「ふだんの声では届かなかった相手に、小さな声でも届くようになる」といった調整が絶えず起きています。脳が使われると、Arc遺伝子に代表される「活動依存的遺伝子」が活性化してこの感度を調整し、神経ネットワークの状態を変えています。私をはじめ、現在の多くの脳研究者は、このネットワークの変化こそが記憶の本質だと考えています。

記憶には、数秒〜数時間、数日〜数ヶ月、一生残るものまで、続く長さの異なるクラスがあり、それぞれ脳の違う場所が担っています。時間とともに、記憶を担う回路が「引き継がれて」いくのです。私たちは活動に応じて働く遺伝子を網羅的に調べ、数百種類もの遺伝子が神経活動に応じて変化することを見いだしました。さらに、記憶に関わる神経細胞を赤や緑に染め分けて可視化し、いつ・どこで、どの遺伝子が働くのかを確かめています。たとえばArc遺伝子は、いったん蓄えた記憶をさらに長持ちする形へと作り変えるのに重要であることも見えてきました。

「柔軟な心」の解明から、
社会への貢献へ

記憶は、判断や、状況に応じて考えを切り替える「柔軟性」とも深く結びついています。私たちは、マウス用タッチパネル式装置などを使い、過去の経験や記憶をもとにどのように柔軟な考え方が生み出されるのか、という疑問を解き明かしたいと思っています。

また、なぜ「感情」を伴う記憶は残りやすいのか? 強く心を揺さぶられた日は、出来事だけでなくその日の情景や会話まで鮮明によみがえります。「痛み」は負の感情と結びつきますが、これが記憶機能にどのように影響するのか? さらには、「歳をとると、ものごとをよく忘れる」といわれますが、これは、情報を記録できないのか、情報を取り出せないのか、それとも情報が消えてしまうのか? 記憶に関連した問いは多岐にわたり、まだまだ明らかにすべきことがたくさんあります。

こうした脳の機能は認知症やうつ病、神経発達症などの疾患により、うまく働かなくなることがあります。このような脳の機能低下メカニズムの解明は、将来の予防法や治療薬の開発につながります。このような考えから、私たちは製薬企業との共同研究も進めています。とはいえ、我々が研究を行う根底にあるのは、記憶の謎を解き明かしたいという純粋な好奇心です。鹿児島大学には神経科学に携わる研究者が学部を超えて多く集まっており、コミュニティーが出来ています。その強みを生かして、文系・理系の枠を越えて自由な発想で集える神経科学の拠点をこの地に作っていきたいと考えています。

研究のポイント
  1. 「トップダウン」と「ボトムアップ」の2つのアプローチで認知機能の解明に挑む
  2. 『活動依存的遺伝子』の動きを明らかにし、神経ネットワークの変化という記憶の本質に迫る
  3. 「感情」や「痛み」と記憶との関係にも着目。記憶のメカニズムを理解することで、認知症や精神・神経疾患の解明、新たな治療法の開発が期待される
奥野 浩行(おくの・ひろゆき) 教授

奥野 浩行(おくの・ひろゆき) 教授

1990年3月 東京大学理学部生物化学科卒、1992年3月 東京大学大学院理学系研究科修士課程修了、1995年3月 東京大学大学院医学系研究科博士課程 単位取得後退学、2000年3月 博士(医学)、ス大学 医学部 1995‒2000年 東京大学 医学部 助手、2000‒2003年 ジョンズ・ホプキン博士研究員、2003‒2013年 東京大学大学院医学系研究科 助手・助教・講師、2013‒2018年 京都大学大学院医学研究科 特定准教授、2018年より現職 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 教授
■所属学会等:日本神経科学学会、日本神経化学会、日本神経精神薬理学会、日本生理学会、日本生化学会、日本分子生物学会、北米神経科学学会(SfN)
■研究分野:経験や学習によって脳の神経回路や機能がどのように変化し、知覚や認知、思考を変えるのか?ということに興味をもって研究を行っています。遺伝子、分子、細胞レベルの研究を行うために、マウスなどの実験動物を対象とした生化学、分子生物学、生理学、解剖学、動物行動学などの実験的なアプローチで脳のメカニズムを明らかにしたいと考えています。

共同研究者メッセージ

早稲田大学 人間科学学術院 掛山 正心(かけやま・まさき)教授

早稲田大学 人間科学学術院
掛山 正心(かけやま・まさき) 教授

私たちの「こころ」は、目の前の出来事を取り込んで知識とするボトムアップの情報処理と、その知識を使って理解し判断するトップダウンの情報処理、その両方の流れの中に宿っています。奥野先生は、この二つの流れが脳のどこで交わり、どのような分子が働いているのかを、長年にわたって世界の最前線で明らかにしてきました。先生が追い続ける「記憶の分子機構」は、「こころ」を科学的に理解するための扉です。医学にとどまらず、理学・教育学・工学を横断した統合科学として「こころ」に迫る新しいサイエンスが、鹿大から生まれることを楽しみにしています。

OB OG interview 卒業生メッセージ
宮崎県日向市出身。鹿児島大学医学部保健学科を卒業後、助産師として勤務。離婚や体調不良での療養を経て、看護師として復帰。不妊治療を機に退職し、ベビーマッサージ教室を起業。現在は母親向けのオンラインコミュニティを運営中。5歳と3歳の息子、夫と暮らす。昨年「ビューティージャパン」に出場。今年はゼネラルマネージャーを務める。
宮崎県日向市出身。鹿児島大学医学部保健学科を卒業後、助産師として勤務。離婚や体調不良での療養を経て、看護師として復帰。不妊治療を機に退職し、ベビーマッサージ教室を起業。現在は母親向けのオンラインコミュニティを運営中。5歳と3歳の息子、夫と暮らす。昨年「ビューティージャパン」に出場。今年はゼネラルマネージャーを務める。

選択肢はひとつじゃない
人生はもっと欲張っていい

起業家前畑まえはた ことこ
全国の仲間とつくるオンラインコミュニティ「ママすく」。ミーティング中の一場面。
全国の仲間とつくるオンラインコミュニティ「ママすく」。ミーティング中の一場面。
Beauty Japan2025ファイナリストに挑戦。
Beauty Japan2025ファイナリストに挑戦。
実技実習で友人たちと
実技実習で友人たちと
ゴミ拾い活動。子ども達の価値観や気づきを育てる小さなきっかけになればうれしいです。
ゴミ拾い活動。子ども達の価値観や気づきを育てる小さなきっかけになればうれしいです。

鹿大での学生生活は、前畑ことこさんの価値観を大きく形づくりました。自立したいという思いで進学し、サッカー部のマネージャーとして活動しながら助産師課程の選抜試験に挑戦。多くの学生が部活動を休んで勉強に集中する中で、前畑さんは部活動も勉強も続ける道を選び、合格をつかみました。「やりたいことは諦めなくていい。もっと欲張っていい」という感覚は、この時期に育まれたものだと振り返ります。

卒業後は助産師として働き始めましたが、離婚や職場の人間関係の悩みが重なり、心身のバランスを崩してパニック障害を発症。療養期間を経て看護師として現場に戻り、再婚、出産を経験。二人の子育てを通して、多くの母親が抱える孤独や不安に改めて気づいたと言います。自身もかつて、無理を重ねて苦しくなった経験があり、安心して本音を話せる場の必要性を強く感じたことが、オンラインコミュニティ立ち上げの原点になりました。現在は作業療法士や保育士など専門資格を持つ仲間とともに、方法ではなく„心の在り方“を学ぶ場として運営しています。「ママが満たされることで、子どもやパートナーとの関係にも余裕が生まれる」という思いが活動の中心にあります。

また、女性のキャリアなど内面の美しさに光を当てる「ビューティージャパン」にも携わり、誰もが自由に夢を語れる社会を目指す前畑さん。今後は家族で参加できるコミュニティづくりにも取り組みたいと考えています。本学で育まれた„やりたいことを諦めずに進む姿勢“は、今も前畑さんの挑戦を支えています。

KADAI TODAY

ふるさと納税で鹿大生の挑戦を応援
ー「大学応援ふるさと納税」がスタートー

ふるさと納税で鹿大生の挑戦を応援 ー「大学応援ふるさと納税」がスタートー
あいさつを行う井戸章雄鹿児島大学長
あいさつを行う井戸章雄鹿児島大学長

3月24日、鹿児島市役所において、鹿児島市、SCSK株式会社および市内3大学(鹿児島国際大学、志學館大学、本学)による「大学応援ふるさと納税」事業の開始に伴う合同記者発表が行われました。

本事業は、ふるさと納税制度を活用して市内大学の取り組みを支援するもので、地域課題の解決や若者の流出抑制につながるプロジェクトへの寄附を募る、産学官が連携した新たな取り組みです。寄附者は応援したい大学を指定することができ、寄附金は各大学の教育・研究活動や地域貢献活動などに活用されます。

会見では、冒頭に下鶴隆央鹿児島市長があいさつを行い、続いて3大学を代表して井戸章雄学長が登壇しました。井戸学長は、「地域社会を持続可能なものとするための『地(知)の拠点』としての使命を再確認し、各大学が持つ専門的な知見や学生の若いエネルギーを結集しながら、若者の流出抑制や地域課題の解決に全力で挑んで参ります」と力強く述べました。

鹿児島大学では、学生が地域の現場に入り、自治体や企業、地域住民と協働しながら課題解決に取り組む活動を数多く展開しています。本事業を通じて全国の支援者とつながり、学生たちの挑戦に共感と支援が寄せられることは、本学にとって大きな励みとなります。さらに、寄附が学生の活動を後押しすることで、地域の活性化や人材育成、持続可能な地域づくりにつながることが期待されます。

なお、寄附は4月1日から受け付けており、返礼品がない制度のため、鹿児島市民も税控除を受けながら鹿児島大学を直接応援することができます。

本事業の詳細は、本学HPをご覧ください。

「大学応援ふるさと納税」2026.4.1~募集開始!

  1. 教育機関や地域の教育活動プロジェクトを選んで寄付

    プロジェクトへの「共感」をモチベーションにしたふるさと納税です

  2. 鹿児島市民も鹿児島市にふるさと納税できます

    返礼品がないため、鹿児島市民も鹿児島市に寄付できます!

  3. 少額で気軽な一歩を踏み出せる

    最低1,000円からふるさと納税できます

  • 垂水市との連携事業で戦争遺跡を共同調査しました

    垂水市との連携事業で戦争遺跡を共同調査しました

    法文学部では、2025年度、垂水市との包括連携協定の一環として、垂水市に所在する戦争遺跡や関連資料を調査・研究する連携事業を実施しました。2025年度は太平洋戦争が終結して80年を迎える節目であり、失われてゆく戦争の「記憶」の記録・継承・活用が喫緊の課題です。連携事業には、法文学部人文学科多元地域文化コースの石田智子准教授、吉田明弘准教授および考古学ゼミ生7名、法文学部附属「鹿児島の近現代」教育研究センターの中嶋晋平特任助教が参加しました。連携事業の実施にあたっては、鹿児島県立垂水高等学校と垂水史談会からもご協力いただきました。

    主な活動内容として、9月16日から19日にかけて、複数手法(現地踏査、聞き取り調査、文献調査、測量調査、石碑等の記録調査)による総合調査を垂水市で実施しました。また、9月17日には鹿児島大学と鹿児島県立垂水高等学校の合同ワークショップを開催しました。3月21日には、垂水市市民館で成果報告会を開催し、今年度の活動成果を発表しました。

    2025年度の連携事業では、垂水市に所在する戦争遺跡や関連資料の悉皆調査を実施するとともに、地域の人々と協働で実践することの重要性を再認識しました。豊富な地域資源があり魅力的なフィールドである垂水市を舞台に、今後さらなる活動の展開が期待されます。

    • 4 質の高い教育をみんなに
    • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 鹿児島大学J-PEAKSキックオフシンポジウム
    ~「超分野結集型研究」の推進による研究力強化をめざして~を開催しました

    鹿児島大学J-PEAKSキックオフシンポジウム<br>~「超分野結集型研究」の推進による研究力強化をめざして~を開催しました

    3月23日、鹿児島大学稲盛会館キミ&ケサメモリアルホールで鹿児島大学J-PEAKSキックオフシンポジウム~『超分野結集型研究』の推進による研究力 強化をめざして~」が開催されました。これは、文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の一環として行われたもので、大学関係者や学生、企業関係者232名(対面141名、オンライン91名)が参加しました。

    本シンポジウムは、J-PEAKS事業における領域研究プロジェクトの推進に向け、主幹大学の長崎大学と連携大学の宮崎大学との連携をさらに強化すると ともに、研究紹介を通じて研究者間の交流機会を提供し、新たなネットワークの構築と、さらなる研究の発展を目指して企画したものです。

    開会あいさつで、井戸章雄学長は「採択されたこと自体がゴールではなく、ここからが本番です。今日この場での出会いと対話が、研究者間のネットワークの構築や拡大、新たな共同研究の立ち上げ、ひいては社会実装へとつながる第一歩になることを期待しております」と述べました。

    続いて、グローバルヘルス・グローバルリスク・グローバルエコロジーの3領域の活動概要について、各領域責任者から説明があった後、フラッシュトーク形式により各研究プロジェクトリーダーから17の研究プロジェクトの紹介が行われました。

    後半は、長崎大学や宮崎大学からも各大学の取り組みの紹介や本学との連携の可能性等について説明がありました。

    また、稲盛会館のロビーや中会議室では、3大学の約50の研究プロジェクトを展示したポスターセッションを開催。研究者や大学院生との積極的な交流が行われ、J-PEAKS事業のさらなる推進につながる有意義な機会となりました。

    • 2 飢餓をゼロに
    • 3 すべての人に健康と福祉を
    • 17 パートナーシップで目標を達成しよう
  • 「鹿児島オープンサイエンス(KGOS)」始動!!

    「鹿児島オープンサイエンス(KGOS)」始動!!
    鹿児島オープンサイエンスWEBサイトはこちら

    鹿児島大学の全学イニシアティブ「鹿児島オープンサイエンス(KGOS)」が、このたび始動しました。

    KGOSは、鹿児島大学の教職員や学生だけでなく、地域の住民、企業・団体、行政など、鹿児島に関わる一人ひとりの発想や活動、挑戦を丁寧につなぐことで「知」と「地」と「智」を結び、地域の明るい未来を紡いでいきます。

    新たに公開されたKGOS Webサイトでは、鹿児島に関わる研究を収集し、わかりやすく発信します。その知見を地域の皆さまとともに利活用し、よりよい地域の実現につなげていきたいと考えています。地域社会との距離が近い地方大学だからこそ実現できる「地方大学のオープンサイエンスモデル」を目指します。

    KGOS Webサイトでは、鹿児島県内の市町村、島、山、川で行われた、さまざまなテーマの研究を探すことができます。あなたの住む地域にどのような研究があるか、ぜひご覧ください。

    • 4 質の高い教育をみんなに
    • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
    • 17 パートナーシップで目標を達成しよう
  • 鹿児島中央高等学校と高大接続・課題研究に関する協定を締結

    鹿児島中央高等学校と高大接続・課題研究に関する協定を締結

    3月24日、工学部は、鹿児島県立鹿児島中央高等学校と「高大接続及び課題研究等協力についての協定」を締結しました。本協定は、高大接続の充実を図り、鹿児島中央高校の生徒が課題研究等を円滑に実施できるよう、両者が協力して事業を推進することを目的としています。

    締結式では、木方十根学部長が「本協定は、単に二つの学校の利益だけでなく、日本の社会そのものに大きな意味を持つ人材育成の要であり、社会が担うべき責任を果たす大きな推進力となる」と述べ、社会貢献への強い意欲を示しました。また、鹿児島中央高校の野村義文校長は、これまでの工学部からの協力に感謝を述べるとともに、「生徒の学習への視野が広がり、課題解決力が深まり、進路意識や大学への理解が深まることで、双方の教育が活性化することを期待する」と述べました。

    工学部は、本協定を通じて、鹿児島中央高校との連携をさらに強化し、地域社会の未来を担う優秀な人材育成に一層貢献してまいります。

  • 国際共修「地域から世界へ:
    異文化をつなぐインターンシップ体験」を実施

    グローバルセンターでは、日本人学生と外国人学生がペアになって参加する国際共修型職業体験プログラムを立ち上げました。初年度は、本学と包括連携協定を結んでいる大崎町の3つの企業(ジャパンファーム、社会福祉法人愛生会、久徳建設)において、合計6名の学生が5日間(2月16~20日)実習を行い、「①企業の特徴と地域における役割」「②海外の同業種との比較」「③若者や外国人が働きやすい職場環境」の3つの課題に取り組みました。

    3月27日に大崎町中央公民館で開催された報告会では、日本人学生と外国人学生が協力して取り組むことで、既存の枠を超えた新しいアイデアや価値を提案するとともに、文化の違いを超えた本質的な問いを立てることができ、国際共修ならではの成果が見られました。学生たちにとって、日本のビジネス慣行や地域社会についての学びは、今後のキャリアや生き方を考える貴重な機会となり、参加企業側からも取り組みを継続してほしいという声が多く聞かれました。

    • 11 住み続けられるまちづくりを
    • 17 パートナーシップで目標を達成しよう
  • ナイロン製の詰め替えパウチ回収プロジェクトを開始

    ナイロン製の詰め替えパウチ回収プロジェクトを開始

    鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンターは、令和8年5月より、ナイロン製の詰め替えパウチ回収プロジェクト「R2P2(Refil Pouch Pack Recycling)」を開始しました。

    同プロジェクトは、理工学研究科の加藤太一郎教授が進めるナイロンのケミカルリサイクル技術の社会実装を目指した取組です。研究に必要な材料である「詰め替え用パウチ」の回収を呼びかけており、学内6か所に回収ボックスを設置しました。

    近年、ごみの分別をはじめとするリサイクルへの意識は広く浸透しつつあります。一方で、プラスチック製品のリサイクルは環境面・技術面の双方で大きな課題を抱えています。その解決策の一つとして期待されているのが「ケミカルリサイクル」です。これは使用済みプラスチックを原料レベルまで分解し、新たな製品へ再利用する技術で、焼却による二酸化炭素排出の抑制や資源循環への貢献が期待されています。

    しかし、多くのプラスチック製品は複数の素材で構成されており、種類ごとの分別が難しいことが実用化の課題となっています。そのような中、加藤教授は、多層構造プラスチックを種類ごとに分離する技術や、ナイロンをモノマーまで分解する技術を活用し、ナイロンのケミカルリサイクルに成功しました。現在は社会実装に向けて実験規模の拡大を進めています。

    今回のプロジェクトでは、回収したナイロン製の詰め替えパウチを研究素材として活用します。回収対象は、ナイロン(PA)の表示がある洗剤類の詰め替え用パウチや食品包装資材などです。

    なお、本プロジェクトはJ-PEAKS(地域中核・特色ある研究大学強化促進事業)の取組の一環として実施しており、学生や教職員の日常生活における行動変容を調査する実証実験も兼ねています。

    • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
    • 12 つくる責任つかう責任
    • 13 気候変動に具体的な対策を
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株式会社アクシーズ

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鹿児島県に生産拠点を置く東京証券取引所上場企業として、科学的データを活用した飼育管理とHACCP・FSSC22000に基づく衛生管理で安全な食を全国へ供給し、副産物や排泄物を再資源化して循環型社会に貢献します。
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応募締切令和8年9月30日(水)

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鹿大「進取の精神」支援基金へのご寄附のお願い

鹿大「進取の精神」支援基金は、2015(平成27)年の一般資金創設から、趣旨にご賛同いただいた多くの皆様方からご支援をいただき、現在では、修学支援事業基金や学部等支援基金*などの特定資金を加え、本学の教育・研究活動充実のため、大切に活用させていただいております。一般資金には、ご不要となりました本などの物品をご提供いただき、その査定金額をご寄附いただくリサイクル募金もございます。皆様からのご支援をお待ちしております。

【お問い合わせ先】
鹿児島大学総務部総務課広報・渉外室基金・渉外係
TEL:099-285-3101

*学部等支援基金:歯学部・鹿児島大学病院・練習船・医学部学科教育・教育学部附属学校園・動物病院・工学部教育研究支援基金・SKLVセンター基金・農学部基金

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Growing! ~鹿大生の横顔~

Growing! ~鹿大生の横顔~
鹿児島大学大学院・
リハビリテーション医学講座 博士課程
塗木 ひかるさん

研究者とアスリート
二つの舞台を往復しながら可能性を未来へ広げる

鹿児島大学大学院・医歯学総合研究科リハビリテーション医学分野(博士課程)で学びながら、短距離選手としても活躍する塗木ひかるさん。今年の大崎室内陸上100mで一般選手を相手に優勝し、九州インカレでも3位に入りました。研究面では、九州スポーツ体育学会でVRを用いた視線分析を発表し、サッカー選手と一般選手の視線や戦術理解の違いを示しました。『進取の精神』学生表彰は2年連続で受賞。昨年はVR映像を活用した視線分析に加え、感覚減衰を高める視覚リサイズフィードバックによる自他識別の改善や、生理指標開発に向けた研究が評価されました。現在は下堂薗教授の指導のもと、麻痺患者のリハビリテーションに関わる研究に取り組んでいます。

陸上との向き合い方にも探究心がにじみます。高校時代は結果に恵まれませんでしたが、鹿大入学後は環境に支えられ記録が向上。週2回のウエイト、食事管理、フィジカル強化など、分析力を生かした地道な積み重ねを続け、監督、コーチ、トレーナーと対話しながら柔軟に練習を組み立てています。「興味を持ったらとことんやるタイプ」という言葉どおり、粘り強さが競技力を押し上げます。研究者として、そしてアスリートとして、二つのフィールドを軽やかに行き来しながら興味と可能性を広げ続ける姿は、鹿大が大切にしてきた『進取の精神』そのものです。

競技と学業の両面で成果を重ねています。
競技と学業の両面で成果を重ねています。
競技と学業の両面で成果を重ねています。
父は鹿大陸上部の監督、妹も編入後は同じ部で日々練習に励む陸上一家。母の食事面での支えもあり、研究と競技に打ち込める環境が整っています。
父は鹿大陸上部の監督、妹も編入後は同じ部で日々練習に励む陸上一家。母の食事面での支えもあり、研究と競技に打ち込める環境が整っています。
多忙な日々でも、適度にリフレッシュしながらオンオフを上手に切り替えています。
多忙な日々でも、適度にリフレッシュしながらオンオフを上手に切り替えています。

私の座右の銘

千里の道も一歩から

探究心を大切にしながら、一歩でも前進。計画を立て、実行と改善を重ねる中で生まれる発見や学びに魅力を感じています。支えてくださる方々への感謝を胸に、これからも自分らしく前向きに挑戦していきたいです。

塗木 ひかる さん
CircleFlix 少林寺拳法部

CircleFlix

少林寺拳法部

最高の仲間と本気になれる場所

少林寺拳法部とは?
護身術を基盤に心と体を鍛える武道です。礼儀や思いやりを大切にし、相手を尊重しながら技を学びます。仲間と支え合い、実践を通して自信や協調性を育めるのが特徴です。
少林寺拳法部の魅力は?
部員同士が支え合い、学び合い、共に過ごす家族のような温かい一体感があります。大会では数々の結果を残してきました。部員間の集まりもあり、大学生活の多くの時間を部員と過ごしています。
活動内容について教えてください。
少林寺拳法部は月曜日と金曜日の週2回の練習があります。大会期間は練習量を増やし、大会に向けて日々修練に励んでいます。

DATA ※2026年6/5 時点

部員数
52名
活動場所
サークル棟2号館横の道場
活動日時
月・金 18時30分~20時30分

SNS & CONTACT

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